皆さんはたこ焼きを家で作った経験があるだろうか?
家族や友人や恋人とタコパを楽しんだことがあるなら、きっとわかるはずだ
たこ焼きを成功させるにはコツがいると
4月某日、友人宅で初めてたこ焼きを作ったときのこと。スーパーで材料を買いそろえ、ソース類も完備、完璧なたこ焼きを量産しようと意気込んでいた
最初はものすごく順調だった。生地を入れすぎた感は否めないが、「焼いてるうちにきれいに丸くまとまってくれるんでしょ~?」というなめ腐った関東人の考えにより、これで良しとした(ちなみに、点火して3秒後に油を入れ、その直後に一気にこの量の生地を流し込んだ。この時点でたこ焼きのすべてを知る大阪府民は泡を吹いて気絶していることだろう)
こんがりおいしそうな焼き色を付けるためには強火だと思い立ち、最初から火力強めで焼いていった。こんな感じで
ここから、何かがおかしくなり始めた
外側ばかりが焦げていき、肝心の内側がいつまでたっても火が通らないのである。しかも、生地がたこ焼き器にビッタリはりついて、串でひっくり返そうとしてもびくともしない。
「失敗」の2文字が、たこ焼き作りの作法を知らない愚かな関東人の頭をデカデカとよぎった――――。
このままではたこ焼きになれなかったものたちが成仏できない。そしてたこ焼き器もお陀仏となってしまう。ここで強硬手段に乗り出した
中身をスプーンでできる限りほじくり出して
チヂミにしてやった。
数分前まで丸くなるよう型に押し込められていたものたちが、今やフライパンの上で平たくなるようにヘラで押さえつけられている。世の中とはそういうものなのだ。環境によって柔軟に対応、折り合いをつけていくのがこの世界の常なのだ。たこ焼き、いや、転生チヂミの断末魔を聴きながら、諸行無常を感じずにはいられなかった
今この記事を読んでいるたこ焼き失敗勢の皆さん。諦めないでください
フライパンに移してチヂミにしなさい
ごま油をしいて弱火~中火でじっくり焼きなさい
ポン酢で食べなさい
こんな感じで
さらば汝救われん
P.S. 転生チヂミの味は完全にたこ焼きでした。外見は変わっても中身(味)は変わらないという、これまた重要な人間の本質を教えてくれたチヂミに感謝!